20年後に飲めるワインを考える・・②

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さて、とりあえず前回の頁でボジョレーヌーボーを熟成させるのはとんでもなく無理ですよ!・・ということはおわかり頂けたと思います。では、「その他のワインは20年後に飲める?」のかというと・・・答えは一部のワインを除き、ほとんどのワインが「NO!」なのです。
ワインは葡萄の品種や仕込み方によって、「若いうちに飲むべきワイン」「数年の熟成で飲むのがベストなワイン」 そして、「長期熟成に向いてるワイン」に別れます。

長期の熟成に耐えうるワインは若いうちは荒々しいほどのタンニンと酸味、渋み、苦みで溢れています。わざとそういう風に作っているのです。そこを知らずに5大シャトーのワインを若い状態で飲んで「無茶苦茶渋くてガッカリした・・」という勿体無い話を聞いたことがあります。俗にいう「まだ飲み頃ではなかった」というヤツですね。「角張った渋み」と「刺さるような酸味」は整った環境の中でゆっくりと時間(ものすごくゆっくりと進む酸化)を経て、柔らかな味、まろやかな質感、そして複雑な香りをまとうわけです。

では、それらのワインの飲み頃はいつなのか・・・

「ラーメン店の好き嫌い」と同じで、人により好みや感じ方が違います。熟成の頂点というのは人によって意見が違うのです。私は過去に20年以上熟成したワインを何度か飲んだ経験がありますが・・・・

正直・・一度も美味しいとは感じませんでした。

私にはピークを過ぎたワイン・・としか感じなかった・・・・

確かに、自分と同い年のワインを成人した日に飲む・・・というのは素敵なアイデアなのですが、仮に完璧な保存状態で、見事に20年の熟成を経たワインでも、二十歳を迎えた娘さんが初めて口にするお酒にしてはちょっとハードルの高い味と香りです。 しかも、ソムリエが一流レストランのカーブ(貯蔵庫)で保管していても、たまにダメワインが出るのです。家庭内で20年熟成のリスクたるや・・・例え家庭用セラーを使っていたとしても、僕はとんでもない代物になってる可能性のほうが高いような気がします・・・
父が20年間・・想い描いた・・お祝いの席のメインイベントが・・・・

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っと・・・なるリスクを覚悟で臨んでください・・・

「それでもやってみたい!どーしてもやってみたい!」

というチャレンジ精神旺盛なお父さんには、「貴腐ワイン」というハチミツのような味わいの白ワインをお勧めしたいのですが・・ただし、これも数点問題がありまして・・・

それはまた次回・・・ということで・・・